
単語・句・節
英文を構成する基本単位として節というカタマリを考えることがあります。
簡単に言うと、節とは「主語(S)+述語動詞(V)…」という構造を含むような単語群と定義できます。
もう一つ、句というカタマリもあります。これは節構造(主語+述語動詞…)を持たない単語群のことです。
重要な句構造は、節構造の簡略化パターンとして理解することが重要です。したがって、まずは節構造に対する理解を深めることが肝要です。
教科書的な例文で考えると
This is a pen.
という英文は、This が主語で is が述語動詞、a pen はその他要素(正確には、主格補語と呼ばれる要素)です。
あらゆる英文はこのような節構造を少なくとも1つは含みます。今回の例文のように、1つの節構造から構成されている英文のことを単文と呼びます。
単文・複文・重文
単文に対して、複数の節構造を持つ英文は、以下の2つの文構造に分類されます。すなわち、複文と重文です。
まずは複文について見ていきましょう。複文を簡単に説明すると、単文を構成する基本要素(主語、補語、目的語、修飾語)が節構造を持っている文です。つまり、節が入れ子になった形が複文です。
複文の骨格を作る節のことを主節、主節の中の要素(主語、補語、目的語、修飾語)となる節のことを従属節と呼びます。つまり、複文は、骨格である主節を、従属節で肉付けした文構造のことです。
また、従属節は接続詞(従属接続詞)または接続詞の働きを持つ関係詞を伴って構成されます。従属接続詞(従位接続詞とも言う)を先頭にして始まる従属節は、主節内の位置によって、名詞の働きをしたり、副詞の働きをしたりします。それぞれ、名詞節や副詞節と呼びます。
どの従属接続詞が名詞節を作るのか、または副詞節を作るのかはその意味とともに覚える必要があります。一部の従属接続詞は名詞節と副詞節のどちらでも使うので注意が必要です。
関係詞による節は基本的に形容詞の働きをします(形容詞節)。関係代名詞と関係副詞による節のことです。
一方で、複合関係詞は名詞節と副詞節を導きます。先行詞を含む関係代名詞(what節など)も名詞節をつくります。
最後に重文ですが、これは単文(または複文)を等位接続詞でつなげたものです。
名詞節をつくる if と whether
今回のテーマは、名詞節をつくる従属接続詞である if と whether です。
接続詞の if と whether は主語(S)と述語動詞(V)(+その他の要素)を伴って「S が V するかどうか」と いう意味の名詞節をつくります。
- 基本的には動詞の目的語にしかなれない
- 形式主語itを文頭に出す形でなら主語(真主語)にもなれる
whether 節は文の主語、補語、目的語や同格名詞になれま すが、if 節は基本的に動詞の目的語にしかなれないので注意してください(形式主語に対する真主語にはなれる)。
例文で使われ方を確認しておきましょう。
I wonder if [whether] she can play the piano well (or not).
v3動詞の wonder は if/whether節を目的語にとれる代用的な動詞です。
- 主語
- 補語
- 動詞の目的語
- 前置詞の目的語
- 同格名詞
名詞としての働きにやや制限のある if 節に対して、whether節は名詞としての機能を十全に備えています。
if 節と whether節の相違点は名詞としての機能だけでなく、次のような節の形にも表れています。
どのような形で名詞節になるのかを両者の違いに注意しながら確認しておきましょう。
- if S + V... (or not)
- (S が V... するかどうか)
- if or not S + V... の形は使えないが、if S + V... or not は可能
- whether S + V... (or not)/whether (or not) S + V...
- (S が V... するかどうか)
- whetherを使った名詞句:whether(or not)to do.../whether to do...(or not)
- (...すべきかどうか)
whether節に関しては、S + V... という節構造が to不定詞を用いた句構造と入れ替わることで「...すべきかどうか」という意味を持つ名詞句になることに注意しておきましょう。